毒で苦い恋に、甘いフリをした。

「ゆめ…かわいい」

「なんでそんなことばっか言うの」

「ほんとのことだから」

「こんなときにそんなことばっか…言わないで…っ」

「こんなときじゃないとちゃんと聞いてくんないじゃん」

ぬるいキス。

ぬるい毒。

私をダメにしたって
メリットなんか無いんだってば…。

何度あなたの肌に触れても、
その声で、みんななら「欲しい」って望む笑顔で好きだって言われても。

私があなたにあげられるものは、
抜けない毒と消せない傷だけなんだ。

それが分かっているくせに、
執着しているのだって私自身だ。

私を好きな、あなたのせいにして。
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