双子パパは今日も最愛の手を緩めない~再会したパイロットに全力で甘やかされています~

 大きく伸びをして、子どもたちの枕もとから離れ窓際に立つ。

 カーテン越しに窓から通りを見下ろすと、通行人はふたりしか見えない。

 メイン通りから横に入り車一台がやっと通れる一方通行の道なので、もとから人通りは多くない。ランチタイムもピークを過ぎている平日の午後二時なのだから、いつも通りだ。

 私の住む部屋の階下は、雑貨店フェリーチェ。

 felice(フェリーチェ)という名前の由来は、幸せという意味のイタリア語。一部がカウンターのみのカフェコーナーになっているイタリアからの輸入雑貨を扱う雑貨店である。

 場所は神楽坂で十時に開店し閉店は夜七時。定休日は火曜。平日の店番は昼間は祖父か祖母、午後三時から閉店までと休日は主に私。そして、五人ほどいるアルバイトが交代で来る。

 私の店番のときは祖父母に子どもたちの面倒を見てもらっている。

 今日は土曜日。子どもたちが起きる頃祖母が迎えに来てくれて、店番を交代する約束だ。

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