再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
「昨晩あれだけのことをしたんだ。千夏に嫌われてもおかしくないよ」

「そ、そんなことないですっ」


「なら、どうして避けるの?」

「目を合わせると昨日のことを思い出してしまうから、です」


「へぇ~」

「……」

それを聞いた藤堂さんの顔が見る見るケモノになっていくのがわかった。あれ? 今の発言はまずかった?


「そういえば感想を聞いてなかった」

「感想?」


「昨晩はどうだったのか? の感想。さっきは上手くかわされたから今度は答えてもらうよ」


心の中で友人に助けを求めている私。誰でもいい。誰でもいいから、藤堂さんを止めて~!

普段ニコニコ優しくしてる人ほど、Sになると手をつけられなくなるってホントだったんだ…。


「千夏が答えれば拘束した手を離してあげる。それで千夏の大好きな甘ーいフレンチトーストと美味しい紅茶を用意するよ」

「うっ…」

私がフレンチトースト好きなの、未だに覚えてるとかどれだけ記憶力良いのよ…。私は深呼吸をして覚悟を決めた。
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