再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
「そろそろいい時間になったし向かおうか」

「特別な場所ってどこなんですか?」

「それは着いてからのお楽しみ」


そういって口に指を当てて秘密のポーズを取った。藤堂さんのその仕草さえ色っぽいと感じてしまう。

私は一体どこに連れて行かれるんだろう? 少しのワクワクと高級なドレスに着替えたせいもあって緊張もしていて…。

藤堂さんのいう特別な場所が私のイメージと一致するわけないもんね。私が想像するよりもきっと凄い場所なんだろうな…。


◇  ◇  ◇


「着いたよ」

「ここって…」

目の前には大きなクルーズ船。生まれてこの方乗ったことがないくらいの大きさだ。


「ディナークルーズの予約が取れたからここにしたんだ。1時間くらい近くをまわってくれるみたいだよ」

「…」


「千夏どうしたの?」

「いえ…。たしかに私にとっては初めての体験で特別な場所だなって」


「驚いた? ならサプライズは大成功だね」

「そうですね。だからドレスコードが必要だったんですね」


「必須ってわけじゃないよ。俺が千夏のドレス姿が見たかっただけ」

「っ…」

そのためだけにわざわざ高いドレスを買ってくれるなんて…。藤堂さんはどれだけ私のことが好きなんだろう。
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