再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
「景色を見ながら食事を楽しむのは千夏が喜ぶと思ってね」

「すっごく楽しみです!」


「千夏」

「なんですか?」


「これからも俺が色んな初めてを体験させてあげるから。千夏の初めては全部、俺のものだよ」

「うっ」

心臓がいくつあっても足りない。藤堂さんの「初めての体験」って言葉を聞いて、変なことを考えてしまった。


「千夏はエッチだね。初めてって何を想像したの?」

「してませんっ!」

「ははっ」


私の思考が読まれてしまった。もしかして口に出してしまっていただろうか…と不安になった。


「千夏が行ったことないような場所にも連れて行ってあげるし、千夏が今考えてるようなこともたくさんしてあげるよ」

「あ、ありがとうございます」

これ以上変なことを言ったら、からかわれるのは目に見えるし。今は大人しく黙っておこう。

それよりも藤堂さんのスーツ姿、何度見てもカッコいい、な。私が別のドレスを試着してる間に藤堂さんもいつの間にかタキシードに着替えていた。値段は私じゃ買えないようなものだけど、藤堂さんならたとえ安物のスーツだってタキシードだってカッコよく着こなすだろう。

服はあくまでも藤堂さんを輝かせるものに過ぎない。藤堂さんが眩しくて、背景にキラキラや花が見えるのは少女漫画の読みすぎだろうか。
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