再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
***


「今日からここが俺と千夏さんの家ですよ」

「タマワンの最上階って…」


私が連れてこられたのは45階建てのタワーマンション。しかも最上階。保育士の私じゃ、一生かかっても住めない。

最上階って家賃いくらするんだろう? 月100万とか? なんてことを考えていたら、


「ここが俺と千夏の愛の巣って思ったら俺、興奮してきちゃった」

「なっ…」


後ろから抱きしめられた。嫌じゃない。けして嫌じゃないけど、今の発言はギリギリアウト。


「それよりも説明して。藤堂さん、貴方は一体何者なの?」

「そういえば説明してなかったね…」


首を傾げ、何かを考えている藤堂さん。私を養えるくらいの仕事ってことはもしかして…と、裏の仕事だったり怪しいのを想像してしまった。藤堂さんに限って、それはないと信じたい。
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