生物と、似つかわない双子の間で。

冷酷先生

「おい、今日の当番は誰だ」
「あ、はい。私です」
「岩田か。お前、後で全員の問題集を回収して職員室まで持って来い。黒板の清掃が出来ていなかった罰だ」

超絶、不機嫌な生物教師。坂本唯斗(さかもとゆいと)先生。
そして、偶然今日が当番だった私、岩田(いわた)由紀乃(ゆきの)。高校2年生。

…うーん。運が悪い。

日頃はきちんとやるのに。
生物の前に限って、清掃をし忘れるなんて。


そんなことを思いながら、大人しく問題集を集めて職員室に運ぶ。


「失礼します。2年A組の岩田です。坂本先生に用があって参りました」
「はい」

職員室の角。坂本先生は書類と睨めっこをしていた。

「岩田です。問題集を持ってきました」
「…そこ、置いとけ」
「そこ?」
「俺がそこ、って言ったらそこなんだよ。考えれば分かるだろ」
「………」

適当な場所に無言で問題集を置く。
そして、会釈だけして職員室を後にした。


「失礼しました〜ん…」


…坂本先生。苦手。

いつもあんな感じ。
何でか知らないけれど、常にピリピリしている。


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