同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 対局で勝利を得たときと同じくらいの気持ちで、おのれの選択に満足しながら、田中は汁を飲み干し、チャーハンの皿をカラにした。

 めぐるが冷たい水をグラスに足してくれながら言う。

「遅くなってすみませんでした。
 田中さん、お忙しいんじゃないんですか?」

 もう客も少なくなっているので、話す余裕が出てきたようだった。

「いや……普段はなにも忙しくないから」

 忙しいのは常に頭の中だけだ。

 それも、ここしばらく、ぽかっとなにかが抜けたようになっている。

 スランプだと聞いたが。
 こいつもそうなのだろうか、とめぐるを見つめてみたが、彼女はメニュー短冊を眺めながら、

「いつも思うんですよ。
 これ、笹とかにぶら下げてみたらお洒落かなって」
としょうもないことを言って、即行、

「見えにくいだろうがっ。
 莫迦なこと言ってないで、配達行ってきなっ」
と百合香に怒られていた。



< 81 / 521 >

この作品をシェア

pagetop