同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 


「えっ?
 今日、夜、めぐるんのとこに行くの?」

 田中が古ビルの将棋クラブに戻ると、いろんな弁当の匂いが混ざったいい匂いがしていた。

 だが、俺の食べたラーメンの匂いがダントツに美味そうだ、と田中はここでまた、本日のおのれの決断は間違いなかったと確信する。

「帰りにちょっと寄るだけだ。
 川……」

 川沿いの家をもう一度見せてもらおうかと思って、と健に言いかけてやめる。

「へえー、そんなところに住んでるんだー。
 俺も見てみたいな~」
と健が言い出しそうな気がしたからだ。

 なんで、健がそう言ったら嫌なんだろうな、と田中は心の中で、ひとり分析してみる。
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