同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 


「まあ、どうぞどうぞ」

 女子が一人暮らしするのには、ちょっと頼りない感じの古い木のドアをめぐるが開けた。

 入ってすぐのところが階段になっていて、そのまま2階に上がる。

 ぎしぎし言う階段の先の部屋は、窓を開け放っているせいで、涼やかな川風が吹き渡っていた。

「気持ちのいい部屋だな」

 窓から対岸の街並みを見ながら田中は言う。

「あ、晩ご飯食べました?」
「一応、食べたが」

「今、夜食におむすび作ったんですよ。
 いかがですか?」

「……ありがとう」

 意外に気の利くやつだな、と思いながら、小皿にのった小さなおむすびをひとつ受け取る。
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