幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
いつも通り玄関先で唇に触れるだけのキスをくれた翔くんは、一足先にマンションを出発。

私も出勤しなければと、リビングに戻ろうとしたときだった。


「うっ……」


突然襲ってきた、吐き気。慌ててトイレに駆け込んだけれど、なにも出てこない。

なんでだろう……。
私、やっぱり体調が悪いのかな? ここへ引越して生活環境が変わって、気づかないうちにストレスを抱えていたのかもしれない。

だって、毎月順調だった生理も……。


「あっ……」


ジワリ背中に、汗が滲み始めた。

毎月初旬には訪れる生理が、5月はまだ来ていない。

いや……そんなはずないよね?

この前はちゃんと避妊をしていたはずだから、妊娠の可能性は……。でも、避妊していても妊娠するときは妊娠すると聞いたことがあるし。

どちらにしても、産婦人科を受診した方がよさそうだ。

でも、もし妊娠していたら? 翔くんは、喜んでくれるかな……。


「あ……行かないと、遅刻する……」


トイレから出て出勤の支度を済ませると、私もマンションを出発。

とりあえず、産婦人科を受診するまで翔くんにはなにも言わないでおこう。これ以上心配かけて、仕事に集中出来なくなっては困る。

そんなことを考えながら出勤すると、私はいつも通りに仕事をこなした。
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