双子の熱 私の微熱

プロローグ

Ἀγαπῶ σε(アガパオセ).」

 やわらかいソファーの座面に背中を預けて、覆いかぶさる彼を見上げる。
 熱い吐息と共に、聞きなれない言葉が降ってきた。
 英語とも違う、きっとギリシャ語。なんて言われたのかなんて、私にはわからない。
 首筋をたどる彼の唇の感触に震えながら、それでも私は愛の言葉なんだろうと思った。
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