夜の帝王の一途な愛
第十六章 認知機能障害の再発
第十六章 認知機能障害の再発


あゆみは安定期に入った。

この世に生まれてくるまで安心は出来ない。

花屋はほとんど、友梨ちゃんに任せて、バイトも増やした。

俺は毎日、あゆみとお腹の子供に話しかけていた。

「おい、早く出て来い」

「凌、駄目ですよ、早産になっちゃいます」

「そうか、ゆっくりでいいぞ」

あゆみは毎日、満面の笑みを浮かべて過ごした。

そんな矢先、俺を突然の頭痛が襲った。

あゆみはお腹が大きくなって来たので、寝室は別にしていた。

夜中、俺を襲った激しい頭痛に一人で耐えていた。

朝、目が覚めると、一人の女が、俺を覗き込んでいた。

「凌、大丈夫ですか、中々起きてこないので、びっくりしました」

誰だ、この女、俺が連れ込んだ客か。

まさかな、俺は客とは寝ない主義だ。

俺は起き上がり、周りを見回した。

俺のマンションだ。

そして、女をマジマジ見た。

嘘だろ、妊婦かよ。

なんで妊婦が俺のマンションにいるんだ。

「凌、どうかしましたか」

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