夜の帝王の一途な愛
部屋のドアに耳を傾けたが何も聞こえない
ドアの除き窓から外の様子を伺ったが、何も見えない。
このまま放っておいて、朝ドアを開けて人が倒れていたらどうしよう。
落ち着け私、まず確認しなくちゃ。
そして私は、恐る恐るドアを開けた、ドアの外には男性が倒れていた。
「大丈夫ですか?」
私の問いかけに、彼はゆっくりと顔を上げて私を見つめた。
これが私と彼との出会いである。
彼の事を部屋に招き入れ、怪我の手当てをおこなった。
「痛えよ、もう少し丁寧に扱え、商売道具だからな」
彼はそう言って眼を反らした、この時は、彼の言った商売道具と言う意味が分からなかった。
「喧嘩でもしたのですか?」
彼は黙ったまま何も答えなかった。
どれ位の時間が過ぎただろうか、気まずい空気に押し潰されそうになった瞬間、彼が口を開いた。
「なんか食わしてくれよ」
彼の言葉にちょっと戸惑ったが、場が持てると思い、料理を作り始めた。
「お口に合うか分からないですけど」
そう言って、おかゆを差し出した。
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