言の葉は
男子と女子は僕を見て、小声で「逃げたわけじゃなかったんだ」とか「今日も顔がひきつってる、キモいよね」とか「来なければいいのに」とか「よく来れるよね、あれだけやられたのに」と言った言葉をわざと聞こえるように囁き、僕が席につくと隣の女子はまるで僕を汚いものが来たみたいに机つくえを遠ざけて、心底嫌悪しんそこけんおするものを見るみたいな目で僕を見る。
僕の机には死ねや消えろが書かれていて、僕は必死ひっしに平常心へいじょうしんを保たもとうと鞄かばんから教科書とノートと筆記用具ひっきようぐを出して、いざ、授業に集中しようとすると、紙飛行機かみひこうきが僕の前を飛び、僕の足元あしもとに落ちた。
僕はそれを拾ひろった。
どうやら何か書かれているらしく、僕は紙飛行機を開く。そこには一列の短文が書かれていた。
──────お前が死んでも誰も悲しまない。