言の葉は

僕は歩を一歩進めた。すると、「遥斗くん」と誰かが僕の後ろで呼び止めた。


振り向いた僕の目に映るその先には保健室の担当教諭、田幡真白たはたましろ先生が心配や不安を孕はらんだみたいな表情を浮かべて吐く息を白くさせる。


真白先生は「いつもいつも、あの教室で何が行われているの?」と優しく小さな子供に聞くみたいに僕に問いかける。


でも、僕は真白先生のその言葉に皮肉を感じた。


先生達は教室で行われる嘲笑と暴力を見てみぬふりしてきたじゃないか。



何を今さらになって聞くんだろう。


知らないふりするなよ。


お前ら教師達、全てが僕から見れば同罪なんだ。



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