桜吹雪が綺麗です。
 息が乱れ、身体の内側に快感が募る。
 足の付け根の奥が、とろりと湿りだしたのを感じた。

 一度手が離れたとき、ようやく少し休めるかと思ったら、完全に下着を取り払われてしまった。
 ペールピンクのシフォンプリーツスカートも、その下のショーツごと脱がされて、すべてをさらけ出すことになる。

(どこを隠せば……)

 手のやり場に困っているうちに、覆いかぶさってきた柿崎に乳首を舐めて吸われて「ひえっ」と変な声がもれた。
 その位置でくすっと笑われる。
 吐息のくすぐったさに千花が身を捩ると、柿崎の手に腰から背中を撫で上げられた。
 ぞくっと、甘い痺れと羞恥が身体を駆け抜ける。

「や……あのっ、恥ずかしいっ」
「この先今以上にずっと恥ずかしいと思うけど、どうせならそのまま恥ずかしがっていてください。いまの先生、すごく可愛い。食べたい」

 物騒なことを言いながら、唇を重ねてくる。
 くちゅちゅと猥りがましい音が鳴り、千花は喘ぎながら口を開いて舌を受け入れた。
 その間にも、手は胸から腰、太腿と愛撫を続けていて、ぞくぞくとした快感が体中を駆け抜けていく。

「柿崎くん、あのね……」

 何を言いたいのかわからないまま、キスの合間に髪に指を絡めると、無造作に留めてあったクリップが引っかかって来た。
 ぱさっと、薄茶色の髪が広がって、柿崎がくすりと笑いをもらした。

「先生。お互いの呼び方、後で少し考えましょう。俺の名前覚えてます?」
「うん……創一郎くん」

 はじめて、名前を呼んだ。
 柿崎は千花の手をベッドに押さえつけ、指に指を絡ませながら、貪るような口づけをする。

「千花。かわいい。千花、千花……」

 呼吸を乱し、何度も千花の名前を呼ぶ。ぎしぎしとベッドが鳴り、千花が息苦しさに胸を逸らすと、きつく体を重ね、片手で足の間を探ってきた。

「んっ」
「すごく濡れてますね。良かった……先生、俺に感じてくれてる」

 優し気な声で言いながら、花芽を探り当てて、きゅうっと指で摘まみ上げる。

「ひっ……」

 想像以上の、目裏が白くなるほどの快感。
 千花が悲鳴を上げそうになるも、柿崎の手のひらに口を覆われた。

「ここのマンション、壁の薄さどうです? 隣に聞こえちゃうようなら、声が出ないようにしないといけないですね」

 冷静そのものの口ぶりだが、もう一方の手ではしっかりと蜜口を弄り続けていて、暗い部屋には淫らな水音が響いていた。

「んん~~!!」

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