午前2時、スピカ。
カッパ・ピスキウム
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『星凪ちゃん、ここで最っ高の放課後を、大切な人と楽しんでね!』
そう言われて、継いだもの。
チャリ、と綺麗な流れ星がモチーフにされたキーホルダーがついた鍵が落ちた。
「橘さん、落としたよー」と、親切に拾ってくれたクラスメイトの方を向く。丁寧に掬い上げるみたく、受け取った。
その後で、ぐっと気合いを入れる。どっどっと、心臓が速まる。
視線を下げて、目の前の彼女の肩あたりを見る。
……っ今度こそ、だいじょうぶ。
「…っあ、……ありがーー」
「ーー皐月ー!」
「はーい、なになにー?」
「……」
目の前で立ち止まってくれたのは三秒。不思議そうに首をかしげてから、すぐに立ち去ってしまった彼女。
今日も完敗。どんまい私。
開き直る元気だけは残っていて、それを振り絞ってとっさにスマホを触る"ふり"をする。