午前2時、スピカ。



理由は簡単。話しかけようとしたけど聞こえておらずスルーされた私が恥ずかしいから。


常に周りからの視線が気になってしまう。

たぶん皆、私に興味はないだろうに。




「(……うう、今日もうまくいかなかった……。)」



心のなかで反省会を開く。今日で何回目か分からない。


今日は三文字は話せたのに、喉が詰まったような感じになって……そこから言葉が出てこなかった。


毎回人見知りが発動してしまうせいで、ろくに学校の生徒どころかクラスメイトまで、まともに話した経験がない。



人見知り、内気、エトセトラ。


それらに当てはまってしまう私は、中学校へ入学して1年経った今でも、友達と呼べる存在がいない。





「(もう……友達がほしい……。)」




中学2年生へと進級して、約1週間。

ふわりと薄桃色の花びらが窓から入ってきて、温かい風が私の頬をなでる。



はあ、とため息をついてから今度は本当にトトっと画面を押した。


< 3 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop