心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~
「良いね……僕の休みは溜まっているよ。新婚旅行と言えば、アルベルトだって許してくれるだろう」

 宰相補佐で王の側近だけど、過重労働過ぎるわ。人はお休みを取らないと、死んでしまう。

「今日は陛下が温泉のある例の離宮に行った話をするから、その時にお休みについて話を詰めましょう?」

「策士だね。レニエラ。それを先に話されると、休みを取りたいと言えば断れないだろうね」

 ジョサイアは苦笑したので、私もそれに頷いた。

 そして、登城するために私は彼の腕を取って、表で待つ馬車へと歩き出した。

「楽しみね。私たちの船を借り切っても良いわね」

「……それこそ、船を買っても良いよ。使った後は、どこかの商会に使わせれば良い」

 その時の私の頭の中では、視界いっぱいに青い空と青い海の広がる水平線が見えた。

 前に旅をした時とは、まったく違う喜びを味わえそう!

「楽しみね……! きっと、楽しい旅になるわ」

「そうだね。君がいれば、僕はそれだけで、いつでも楽しいけどね」

 微笑んだジョサイアは、さらりとなにげなくそう言ったので私は彼がお世辞でもなく嘘偽りのない気持ちを伝えてくれる良い夫と結婚出来たことを、神様と他ならないオフィーリア様に深く感謝した。


Fin


※本編はここまでです! ヒーロー視点続きます!

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