誰も知らないあの日の真実
「おはよう、真由美」


朝、教室でいつものように声を掛けてきたのは、浜崎柚乃《ゆずの》だ。

「おはよう、柚乃」

「ねぇ、愛しの彼氏とはどうなの?」

柚乃の言葉に顔が火照ったかのように赤くなった、ように感じられる。


愛しの彼氏か〜。そうかも、しれない。だって、付き合ってから今年で3年が経つ。

「順調だよ」


私の彼氏は、幼馴染の真城(ましろ)。


「へぇ〜、いいね〜」


「柚乃は、いないの、彼氏」


「いない、かな」


「作ってもどっちでも良いけれど、もし出来たら教えてね!応援するから!」

「ありがとう!」


そう言って、柚乃は自分の席に戻っていった。


「おぉー、真由美。おはよー」

真城だ。

「おはよう」


「あ、今日小テストだろ?ヤマまとめたけど、いるか?」

そう言って、差し出す真城。


「大丈夫。私ももってきているから」


「そうか。困ったら遠慮なく言えよな」


真城の言葉に、心が温かくなった。




テストは、復習してきたところがたくさん出題されたので、スラスラと解けた。それは、真城も柚乃も同じだったらしい。



テストが終わり、放課後を迎えた。


「真由美ー、真城くんー。お疲れさま会やらない?」


「いいよ」と私は即答した。


「チェーン店でいいなら奢るぜ」


「チェーン店で奢るってところ、真城くんらしい」


フフフ、とでも言うかのように柚乃が言った。


「ね、真城らしい」



「どこ行く?」


話し合いの結果、カフェに行くことが決定した。
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