この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜

17話 ネコとミケ、保護者対保護者

『まあ……今回の世界じゃあ、食い潰せるほど、なかなか数が増えんのが実情じゃがなぁ』

 珠子の部屋を出たネコはそう呟いて、にゃふーっとため息を吐く。

『しょーがないわ。のんびりやるか。我は気の長いネコちゃんじゃからな』
「「「ミー?」」」

 シンクロニャイズドして首を傾げる子ネコ達の顔を、ネコは母猫が毛繕いしてやるみたいに順番に舐めた。
 子ネコのうち一匹は珠子の側に残ったが、あとの三匹は一緒に窓の外に出てきたのだ。
 彼らが夜食を求めて各所に散っていくと、身軽になったネコは窓台から窓台へと飛び移り、五つばかり離れたバルコニーへやってきた。
 珠子の中の猫の概念を忠実に再現しているだけあり、抜群に夜目が利く。
 一際大きな窓台に降り立つと、ネコはどっこらしょと後ろ足で立ち上がった。
 そうして、前足で窓をカリカリ引っ掻いて鳴き始める。
 その鳴き声は、にゃあにゃあと愛らしく、人間の庇護欲をそそった。
 ところが、実際は……

『おらおらおらおら、開っけろーい! おネコ様のおなーりーじゃ!』

 めちゃくちゃ尊大なセリフを吐いていた。
 そうこうしているうちに窓が開き、金髪碧眼の男が顔を出す。
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