くの一反省帖2〜カステラが待ってる〜
「おっ馬か…けど結構デカい。こんだけ育っとったら肉固かろうね。どんぐらい煮込んだら柔くなるかいな?」

可哀想な我が愛馬よ。

そう思い隣を見ると落とし穴に仕込んであった竹槍で馬は、きっちり即死、即肉の即売会直行状態

「馬刺は諦めなイカんやろねぇ〜でも鍋は諦めん!」

我が愛馬を殺した憎き犯人は、1ヶ月前と変わらぬ赤くて長い髪を腰まで垂らしどてらを羽織ったカッコで見下ろしている。

「狭霧(サギリ)殿っ!一度ならず二度までも…」

と怒りを表に出してみたものの…

「でも馬刺食いたかったなぁ…もうちょい若い馬がかかってくれりゃいいとに…」

この小娘が食材を目の前にして白髪混じりの老人なんか視界の外に消え失せるのは予想の範囲内だよな。
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