闇を抱える小さい少女


『ごめんなさい。ちゃんとお部屋には戻ります。』


花鈴ちゃんは、きれいな字で書かれたスケッチブックを見せていた。


「夜は冷えるから、一緒に病室に戻ろう。」


口の形で何となく言葉を理解しているのか、彼女は俺の言葉に素直に頷いてくれた。


花鈴ちゃんは、那月が持ってきてくれた車椅子に座り一緒に病室へ戻った。



ベットへ寝かせると、彼女はすぐに深い眠りについていた。



「寝顔はこんなに子供のように和らいでいるのにね…」


那月は、花鈴ちゃんの髪をそっと撫でていた。


「私は、あなたの味方だから…」



「那月…」



「何があったのか分からないけど、この子のこと簡単に警察官に引き渡したらダメよ。


こんなに綺麗な瞳を持つこの子が犯罪を犯すわけがないじゃない。


もし、人に危害を加えてしまったというならきっとそれは誰かを守るためだったのかもしれないわよ…」



「…分かってる。俺もそう見てる…。俺も、彼女のことを警察官に引き渡したりはしない。


俺は、花鈴ちゃんのことを守り抜いてみせるから。」



彼女に何があったのかは、真実は彼女にしか分からない。



感情を失い、何も話そうとしない彼女のことを知りたい。


那月も、花鈴ちゃんのことを考えてくれているんだな…


それから、俺は花鈴ちゃんの病室で一晩過ごした。
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

すてきな天使のいる夜に

総文字数/94,176

恋愛(純愛)70ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ーSide 沙奈ー 神様はいつでも意地悪で 私に幸せをもたらせてくれなかった その告知だって突然で なんの前触れもなく 音を立てるように 静かに、でも確実に 暗闇へと引き連れていった だけど あなたと出逢えたことで 私の人生は 光輝くものへとキラキラ眩しい世界へ 導いてくれたんだね
素敵な天使のいる夜にー4th storyー

総文字数/39,215

恋愛(純愛)40ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
病気は いつだって、私に牙を向いた。 それでもめげず、励まし支えてくれた人達がそばにいたから… 何度も生きようと、前を向いてここまで来られたんだよ。 笑顔で暮らせる日々が… どれだけ尊かったか…
すてきな天使のいる夜に〜2nd Sstory〜

総文字数/62,451

恋愛(純愛)48ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
人と人との繋がりは とても尊くて 私に繋がれたこの糸は 決して切れることのないように あの日、あの夜に 2人がしっかりと 結んでくれたんだね。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop