冷酷な御曹司は復讐愛に囚われる~没落令嬢の甘く淫猥な夫婦生活~


「手をつけ」

冷酷な命令に私はおののいた。

「うしろからされるのが好きなんだろう」
「い、いやです」

私がボタンが外れたシャツを握り締めてかぶりを振ると、男は冷ややかに笑った。

「いや? 拒むことが許される立場だと思っているのか?」

小さく唇をかみしめる。男に肩代わりしてもらう借金はまだ残っているから従わねばならない。たとえ専属秘書も強いられている私が昼間であるにもかかわらず身体の奉仕をしなくてはならなくてもだ。

私はのろのろとうしろを向いて取締役用の高級感のあるデスクに手をつき、下ろしている長い髪を片方の肩にまとめて流した。男がこの体位でするときはこうするのを望むからだ。

取締役の専用オフィスの外からは、社員の声や歩く音が聞こえる。
「大切な打ち合わせをするからこの時間には入室するな」と伝えているためこの部屋に社員が来ることはないが、最中の音や声で気づかれないとは限らない。
だから私はここで抱かれるのが心底嫌だった。だが男は私の嫌がることこそ好んで強いてきた。
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