冷酷な御曹司は復讐愛に囚われる~没落令嬢の甘く淫猥な夫婦生活~
愛撫される快感に耐えるために唇を硬く引き結ぶ。
不意に顎が持ち上げられてキスされた。強引に舌で唇を押し広げられ歯列をなぞられると、思わず甘い吐息を漏らしてしまう。
唇と胸をなぶられすっかり体が熱くなると、背中を押されて両手をデスクの奥に伸ばした。
今日の男のそれはいつにも増して存在感があった。

「ま、待って」

先端を押し付けられただけで思わず私は男の腹に手をついて拒む。

「どうした。怯える必要はないだろう、ここはいつも以上に受け入れる準備ができている」

乾いた声で言うと、男は容赦なく押しこんで、自分勝手なペースで腰を揺すった。

「俺を見ろ」

支配的な声に命じられるがままぼうとした目で男を見ると、噛みつくように唇を奪われた。そのままデスクの上に押し倒して濃厚なキスをすると、男はゆっくりと顔を上げた。
猛々しく上気した彼のその顔には、もうあの少女の頃に出会った青年の面影はみられない。けれども瞳に宿る鋭い光は少しも変わっていないと思った。

私は微笑んでいながらも瞳だけが赤裸々に憎悪の感情を漏らす男の顔が好きだった。その時の彼が放つ危険な雰囲気がとても美しいと思った。
あの目で見られると高揚した。素敵な男性を見てときめくようなそんな単純なものじゃない。胸の奥がきゅんと痛んでお腹の奥がズクリと疼くような、不思議で妖しい刺激を覚えたのだ。

「おまえなど、壊れてしまえばいいのに」

うわごとのように言って、男は言葉を実現するかのごとく力任せに私を突いた。
私はいつものごとく陥落して、男の耳元で甘い声をあげる。
私を支配しながらもどこか余裕のない言動をする男を見ると、たまらない愉悦を感じる。もっともっと一緒に快楽に落ちたい――そう願って感じる胸の昂りは、彼のあの鋭い眼差しを望むときの高揚と似ているかもしれない。


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