まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 手の中にあった木の実を入れるところを想像してみた。とたん、手の中から消える。

「ナビ子しゃん、きえた!」
「ふふん、取り出してみれば?」
「うん」

 取り出すのも難しい話ではなかった。今、しまったばかりの木の実が再び手の中に現れる。

「すごい! すごいすごいすごい!」

 以前、「魔術師ナビーシャ」の魔術を勝手に解析したことがあったけれど、これはちゃんと教わった魔術だ。
 何度も出し入れを繰り返していると、ナビーシャは鼻で笑った。

「さて、それじゃ王様のとこに行きましょ。収納魔術は、使えば使うだけ育つんですからね」
「うん」

 父のところに行って、何を言い出すのかと思えば、ナビーシャはとんでもないことを言い出した。

「テティの収納魔術に、食べ物とか飲み物を入れておきたいんだけど」
「ナビ子さん、それはどういうことだ? テティウスは魔術を使えない――」

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