完璧御曹司の溺愛
 


「裕太、一体何を言ってるの?」


「そのままの意味だけど?」


「…手、離して」


「やだ」


「どうして!?」


「だってお前、俺の言葉、信じてないだろ?」


「し、信じるわけないよっ。もう、裕太の事なんか信じられない!」


 俺を見つめる理央の目には、はっきりと不信の色が現れていた。

 
 理央が本気で傷ついて、怒っている事が伝わって、今になって胸が痛み出す。


 
 後戻りの出来ない深いところまで、俺は理央を傷つけた。



 裕太の手が緩んだ隙に、理央は腕を払い、黙ってカーテンの奥に姿を消してしまう。




「はぁ…」



 昨日の理科準備室。


 倒れた理央を連れて行く、あの先輩の後ろ姿。


  
 あの光景が瞼に焼き付いて離れない理由を今、知った。



 
 俺、こいつの事、本気で好きだったんだ……。



 
 裕太の遅すぎた想いは、深いため息となって、保健室の白い天井へと、消えていった_____














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