身代わり婚だったのに、極甘愛で満たされました~虐げられた私が冷徹御曹司の花嫁になるまで~
「そう、か……僕は結乃ちゃんが幸せになればいいんだ。それに、君を守らず家を出た僕に告白する資格なんてなかった。ごめん」

「そんなことないよ。あの家で私に優しくしてくれたの巧巳君だけだったじゃない」

「うちは母さんがあんなで、父さんは母さんの言いなりだろう? そのくせこそこそと愛人を作って」

「え……そうだったんだ」

 あの影の薄くて気の弱そうな伯父にそんな度胸があったとは。伯母に知られたら大変なことになりそうだ。

「姉さんは甘やかされて育ったから我儘で好き勝手。僕も心のどこかで冷めていて……家として外側だけ取り繕っても〝家族〟として成り立っていなかった。そんな時、結乃ちゃんが僕を頼ってくれたのが嬉しかっただけなんだ」

「だから、いっぱいお菓子をくれたの?」

 結乃が敢えて明るく返すと巧巳も口元を綻ばせる。

「そうだな、お菓子をあげると君が嬉しそうに受け取ってくれるから、やめられなかった」

「私、昔から食い意地は変わらないみたい。今でもなんでもいっぱい食べてるよ。結婚してからは食べ過ぎなくらい」
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