悪女の涙は透明らしい

「あぁ、姫じゃねぇ…?。そういえば白狐の姫は追い出されたって噂があったな。なんでもとんでもねぇ悪女だとか」


男の視線にほんの少しの興味と期待の色が加わる。

周囲を囲む男達も完全に私を見下してニヤニヤと笑っているが、しっかりと逃げ道を塞いでいるのを見て背筋が寒くなるのを感じる。


「なぁ、元姫さん。一体何やらかして白狐から追い出されたんだ?悪女ってのはなかなか唆るワードじゃねぇか」


「……別にあなた達には関係ない。それよりそこ、どいてくれませんか?」


「まあそう怖い顔するなよ。元々あんたには興味あったが、有名な悪女さんならますます逃がすわけには行かねぇな」


下卑た笑みを浮かべて、男が後ずさりしかけた私の腕を掴んで引き止める。

その握力の強さに顔を顰めつつ、「離して」と言う声が少し震えているのが自分でもわかる。


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