恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
 付き合った記念日だとか言うし、食事の場所はホテルだったし、ガチガチに意識していたのだけど。美山さんはいつも通りの軽い調子で食事を終えると、そのまま私はタクシーに乗せられて見送られて、気が付いたときにはもう自宅にいた。
「なんだか現実味がなかったな……」
 水色のワンピースを脱げば、魔法がとけたシンデレラみたいだ。ずっと非現実で。こうして家に戻れば全てが夢だったみたい。
 美山さんは一体私のことをどう思っているんだろう。

『君は俺のことを好きだと思っていたけど』

 それは私の気持ちであって、彼はどうなんだろう。付き合う?だなんてさらりと言われたけど!それが本気なのか、からかわれたのかわからなかった。
 明日会うのが少し怖いな。私は何度も寝返りをうち、なかなか眠ることができなかった。



 翌日、オフィスに入ろうとして――。
< 24 / 43 >

この作品をシェア

pagetop