恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
なんだか私の席あたりに人が集まっている。……それも女性ばかり。何かあったのだろうかと遠めから見ていると「おはよ」と声をかけられた。
「有希。おはよう」
「大変なことになってるわよ」
「すごい人だよね。何かあったの?」
「美山さんどうしたの?知ってた?」
もしかして、と人だかりの方を覗き込むと、やっぱりそこには美山さんモデル姿バージョンがいた。
「そろそろ始業ですよ。席に戻ってください」
そして美山さんの隣に寄り添い、明るい声で女性社員を追い払っているのは小久保さんだった。
「えー小久保さんとそういう感じなの?」
「あの子積極的だよねえ」
近くにいた女性社員達が二人を見ながらうらやましそうな声を上げる。
小久保さんは今日も雑誌から飛び出したようなコーディネートで、モデルのような出で立ちの美山さんとは……お似合いなんだろう。
昨日は素敵なワンピースが自信をくれたけど。今日はいつも通りの地味なスーツ。気が萎んで自席に向かうことができない。
「だけど小久保さんって岡島さんと付き合ってなかった?」
「しっ!……吉平さんいるよ」
彼女達と目が合った。その目には同情が浮かんでいて気を遣われたのだと思う。そして同時に心臓がぴりっと痛くなる。もし美山さんも小久保さんのことを好きになったら……。
今まで小久保さんが美山さんと話すことはほとんどなかった。業務上の話か、もしくは私と揃っているときにお似合いですと笑われるくらいで。他の女性社員を追い払った小久保さんは、美山さんを微笑みながら見上げて何やら話しかけている。
こうして小久保さんとの距離が縮まってしまったら……華やかで人当たりのよい彼女に話しかけられたら誰だって嬉しいに決まっている。
それならジャージ姿でいてくれたらよかったのに。そんな嫉妬じみた感情がちらりと燃え、私は彼への恋心に気づいたのだった。
「有希。おはよう」
「大変なことになってるわよ」
「すごい人だよね。何かあったの?」
「美山さんどうしたの?知ってた?」
もしかして、と人だかりの方を覗き込むと、やっぱりそこには美山さんモデル姿バージョンがいた。
「そろそろ始業ですよ。席に戻ってください」
そして美山さんの隣に寄り添い、明るい声で女性社員を追い払っているのは小久保さんだった。
「えー小久保さんとそういう感じなの?」
「あの子積極的だよねえ」
近くにいた女性社員達が二人を見ながらうらやましそうな声を上げる。
小久保さんは今日も雑誌から飛び出したようなコーディネートで、モデルのような出で立ちの美山さんとは……お似合いなんだろう。
昨日は素敵なワンピースが自信をくれたけど。今日はいつも通りの地味なスーツ。気が萎んで自席に向かうことができない。
「だけど小久保さんって岡島さんと付き合ってなかった?」
「しっ!……吉平さんいるよ」
彼女達と目が合った。その目には同情が浮かんでいて気を遣われたのだと思う。そして同時に心臓がぴりっと痛くなる。もし美山さんも小久保さんのことを好きになったら……。
今まで小久保さんが美山さんと話すことはほとんどなかった。業務上の話か、もしくは私と揃っているときにお似合いですと笑われるくらいで。他の女性社員を追い払った小久保さんは、美山さんを微笑みながら見上げて何やら話しかけている。
こうして小久保さんとの距離が縮まってしまったら……華やかで人当たりのよい彼女に話しかけられたら誰だって嬉しいに決まっている。
それならジャージ姿でいてくれたらよかったのに。そんな嫉妬じみた感情がちらりと燃え、私は彼への恋心に気づいたのだった。