恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
「俺もなずなの内面に惹かれたけど?自信がないなら全部言ってやろうか?」
「だ、大丈夫ですっ!」
「まあ俺はなずなの顔も好きだけど」
「この地味な顔がですか?」
「俺が輝かせる楽しみがある」

 深山さんはそう言うと長い指で私の唇をなぞった。彼の指に色がうつり、その艶やかさに身体が熱くなる。彼の手によって彩られていく自分が想像ついてしまう。

「だいぶなずなのこと知れたけど、もっと教えてよ」 

 深山さんの指が唇から首へ移動して鎖骨に移動する。私を見る瞳は濡れているのに熱を孕んでいて、見つめられると身体が熱くなる。 

「ここではセクハラですよ」
「はいはい。移動しようか」

 私が答える前に深山さんは私の手を取って、オフィスの外に連れ出した。エレベーターに乗り込んで二人きりになると強く抱きしめられる。

「既視感があります」
「そうだな」
「どこに行くんですか?」
「Cホテルに」
「…………」
「その顔は気づいてるな、今日は帰す気はないってことに」

 全身の熱が顔に集まったみたいに熱くなる。黙っている私の顎を優しく掴むとキスを落とした。

「会社ではしないって」
「その顔、可愛過ぎたから。味見しようかと」
「味見って…!」

 深山さんの舌がちらりと覗く。味見という表現がしっくりきてしまうのは、この後を私も期待してしまっているからだ。
 エレベーターが開き、二人きりの夜に飛び出した。
< 43 / 43 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:144

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
田舎で暮らしていたアリアのもとに、王都からの使いがやってきた。 十七年間平民として生きていたアリアだが、実は王族の血を引いていて聖女の力があると言われる。 国の危機を守るために、期間限定で国の大聖女となり、未来の国王であるリドと期間限定の結婚をすることになる。 リドはこの結婚を、国を存続させるために必要なことだと考えていたが……アリアはいくら国のためと言えど、愛がない結婚を受け付けず、期間が終われば離婚すると宣言する。 田舎に住んでいたアリアを認めない王都の令嬢たち。 アリアは持ち前の明るさと、ひたむきさではねつけていく。 飾らないアリアに、リドの心もとかされていく。 さらにはアリアの幼馴染が王都にやってきて……。 恋心も女心もわからない仕事一筋な真面目な夫のはずなのに、溺愛が止まりません……! 長編構想はありますが、コンテストのため、一話だけのみの投稿です。
表紙を見る 表紙を閉じる
第一王子の婚約者であるティナは、魔力目的の殺人未遂の罪をを着せられて、投獄されることになった。 牢に入れられる直前、階段から転がり落ちたティナは、 なぜか王都から遠く離れた小さな村の外れ、魔術師クロードの家に転移していた。 魔力を奪うどころか、逆にすべて奪われてしまったティナ。 クロードも五年前にティナと同じく魔力を奪われていた。 魔力を奪い、罪を着せた犯人を追い止めることに決めた二人。 利害が一致した二人は同居生活を送ることになり、お互い惹かれていく……!
表紙を見る 表紙を閉じる
「その溺愛、全部俺にくれる?」 軽くて、誰も好きにならない 来るもの拒まず・去るもの追わずの彼は 実は愛が欲しい寂しがり屋の男の子でした!? 愛が重くて振られる 尽くし系(オカン系!?)ヒロイン 有馬彩羽 ありまいろは × 軽すぎて振られる 愛を知らない学園一のプレイボーイ 山縣皐月 やまがたさつき 「愛が重すぎるんだよ」 「私のこと本当に好きなの!?」 そうやって振られ続ける二人が恋人になったら……!? 溺愛が待っていました……♡

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop