暗闇の星屑、夜明けの太陽
「ちょっと痛いかもしれないけど
我慢してね…」



男性がシャワーで傷口を流して
ソファーの上で消毒をしてくれてる



凄い高そうなソファー

お風呂も高級なホテルみたいだった

広い部屋にソファーと
オシャレなテーブルが置いてある

座ってるソファーから夜景が見える

高層マンション



この人は誰?



「膝曲げると痛いかも…」



包帯を巻きながら男性が言った



「ありがとう…ございます」



いつの間にか涙はひいてた



「とりあえず治療終わり!
あ!よかった!
さっきより元気そうで」



目が合った男性が笑顔だったから
私も自然と笑顔になってた



「キミ、何歳?」



「え…」



「さっきコンビニでケーキ買ったんだよね
ちょっと小さいけどさ…」



そう言って男性が
私の前のテーブルにケーキを出した



「キミ、名前は?」



「え…つき…つ…つき…」



この場合の名前って
普通下の名前だよね?



「ん?…ツ…キ?…ツキちゃん?」



「え…あ…」



この人に個人情報を漏洩していいのか?

助けてもらったのにまだ疑ってる



HAPPY BIRTHDAY
ツキちゃん



男性がメッセージカードにそう書いた



「あ、コレ、チョコレートのプレートのつもりね
コンビニに売ってなくてさ…」



さっき会ったばっかりの私を助けてくれて
こんなことまでしてくれて

また泣きそう



「で、何歳なの?」



今日で18歳



だけど…

ガキって思われるかな?



「20…」



「20歳?」



「20…2…」



ぐらいでいいかな?



「22?」



「は、はい…」



まだガキかな?

24はさすがに無理あるよね



「あ、オレと同じ!」



え、ウソだけど

なんか、よかったのかな?



「ツキちゃん、大学生?」



「は、はい…」



「敬語じゃなくていいって!
タメなんだから」



信じてる

私22に見えるかな?

なんか罪悪感



「オレの名前は、キラ」



「キラ…さん…」



「だから…タメなんだから
キラでいいって」



男性は名前の通り
キラキラしてた



笑い方も身に纏う空気も
オーラみたいなものも

この部屋も

全部キラキラしてて凄く綺麗で



「ツキちゃん、シャンパン飲める?
今日のために用意してたヤツ
ウソウソ
シャンパンか水しかないんだよね
せっかくだから飲もうよ」



「は、はい…」



綺麗なグラスにシャンパンが注がれた



「じゃ、ツキちゃん誕生日おめでとう!
それから、ふたりが出会ったことに
カンパーイ!」



「カン…パイ…」



カシャン…



私はたぶん

恋に落ちてしまった



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