暗闇の星屑、夜明けの太陽
「月島ー
ちょっといい?」



放課後、自販機の前にハルちゃんがいた



この前の模試のことかな?

頑張ったけど良くなかったとか?



「ハルちゃん待ち伏せ?
私、忙しんだよね
大丈夫
変なバイトはしてない
受験勉強」



「月島…ごめん」



ハルちゃんが私の膝あたりまで頭を下げた



「なに?ハルちゃん
やめてよ
人通るし…」



「オレの弟が、ごめん」



頭を下げたままハルちゃんは言った



エミちゃんから聞いたんだ



「そんなこと…
ハルちゃんが謝ることじゃないよ」



頭を下げたハルちゃんを見て
私の膝を舐めたキラを思い出した

あの時
私はキラを好きになった



「本当に、ごめん」



「ハルちゃん、いいよ
大丈夫」



頭を上げたハルちゃんは
どことなくキラに似てた



「本当に双子なんだね」



キラに出会った日を思い出すと
少し複雑な気持ちになった



「うん…本当にすまなかった」



「あの時ハルちゃんが迎えに来てくれたから
私は今、頑張れてるよ
ハルちゃん、ありがとう」



情けなくズレたメガネの奥の目は
やっぱり綺麗で優しい目をしてた



「ハルちゃん
ハルちゃんは大丈夫なの?
エミちゃんのこと」



「…」



きっと大丈夫じゃないのかな…



「あ、プライベートは教えないんだっけ?
数学なら教えてくれるんだっけ?
じゃあ、数学教えてほしい」



「数学ね
ちょっと予習させて」



「もぉ…受験に間に合わないよー」



「キャラメルとクリーニング代のために
間に合わせるよ」



少しだけ笑ったハルちゃんが
私の中で一瞬輝いた



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