暗闇の星屑、夜明けの太陽
卒業式の誰もいない理科室に
ハルちゃんとふたり



告白みたいじゃん

だったらいいな…ってフラれたのに思う



早速クリーニング代の請求かな?

キャラメルもまだあげてないし







自分が呼び出したのに
なんか言ってよ!



ハルちゃんは窓から外を見てた

スーツでもちょっと猫背だ

好きだった

その猫背も







この沈黙なに?

泣きたくなる



私からなんか言うべき?



「あ…ハル…」



『先生って呼ひなさい!』

ハルちゃんからのひとことを思い出した



「先生…ありがとうございました
卒業させてくれて…
大学も先生のおかげで…」



声が震える



「さっきの、読んだな
帰ったら読むように言っただろ」



「だって…
答え、知りたかった」



「オレ的には
過去形だったのが気になった」



「え…」



「好きでした…って…」



「あ…」



「それから返事に困った
みんなが読むやつなのに…
♡…とか…
どぉ受け取っていいか困った」



「だってそんなこと知らなかった
知ってたらあんなこと書かなかったのに…」



「課題出した時、言ったけど…
卒業式にまとめて渡すって」



「え…」



聞いてなかった、私



「ごまかすの大変だった
『みんな大好きだよ♡』とか
オレのキャラじゃないから…」



「あ…」



「まぁ…みんな大好きだけど…」



ハルちゃんはみんなに優しい

エミちゃんも言ってた



「うん、いいクラスだったよ
ありがとう」



「いい先生だったかな?」



「うん、いい先生だった」



「ごめん、言わせた」



「私は、いい生徒じゃなくて、ごめんなさい
ハルちゃんにいっぱい迷惑かけた
本当にごめんなさい

本当に、ありがとう…先生」



あ…これで最後だ

卒業するんだ…私



目の前のハルちゃんが滲んで見えた



「いい生徒だったよ

だから、好きになった

人を好きになる気持ち
なんか、わかった」



「え…」



「ごめん…最後までいい先生でいれなかった

月島のこと好きになってた

卒業させたくなかった

これからも毎日学校に月島がいたらいいな
そう思った

ダメな先生で…
ダメな大人で…ごめん

卒業、おめでとう」



滲んでたハルちゃんが
見えなくなるくらい涙が溢れた



「先生…

ハルちゃん…

ハルちゃん…

好きでした

好き…

好きです

今も…これからも…
ハルちゃんが…好きです」



ハルちゃんの温もり

ハルちゃんの匂いがした



いつかみたいに
またハルちゃんの上着が掛けられて

優しく抱きしめられた



上着を通して
ハルちゃんの鼓動が伝わってくる



「たぶんあの時、好きになった」



あの時…



ハルちゃんのあの時と
私のいつかは
きっと同じだ



「ズルい…
あの時、まだ
エミちゃんと付き合ってたクセに…」



「うん…
ズルくてダメな先生でごめん」



そう言ってハルちゃんは
上着の隙間から私を覗いた



暗闇の中から見えたハルちゃんは
あの時見た朝焼けみたいに

優しく心を落ち着かせた



「ハルちゃん…好き…」



「まだ、先生って呼んで
間違えを起こしそうになるから…」



ハルちゃんはまた上着で私を包んだ



「ハルちゃん…苦しいよ…

見えないよ…

ハルちゃん…
ハルちゃんが、好きです」







気のせいかな…

ハルちゃん

今キスした?



< 82 / 83 >

この作品をシェア

pagetop