処刑回避したい生き残り聖女、侍女としてひっそり生きるはずが最恐王の溺愛が始まりました
「嘘……フローなの?」
《わあ、すごい》
フローは自分で自身を確認するように手足を見ている。
驚いたのは、ルークもまた、フローを凝視していることだ。
「……本物か?」
「ルーク様にも、少年の姿に見えますか?」
「ああ。それどころか、声も聞こえる」
信じられないというように、ルークがつぶやいた。
フローはひらりとアメリとルークの間を飛び回って、ご機嫌そうだ。
「フロー、これがあなたの本当の姿なの?」
《そうだよ。今、ルークからも力を分けてもらったんだ。ルークは凄い魔力量だね。おかげでちゃんと少年の姿になれた》
「力……とは、もしかして魔力のことなのか?」
ルークの問いかけに、フローは周囲を飛びながら答える。
《そう……かな? 僕ら精霊が生き続けるには、自然のエネルギーと人の想いが必要なんだ。君たちのいう魔力は、選ばれた人間が持つ、自然のエネルギーだろ? その力を持っていて、僕らと波長が合うのが巫女姫なんだよ》
「自然のエネルギー。……なるほど。だから巫女姫は、王族からしか現れないのか。魔力が継承されるのは、王族だけだから」
「えっ、どういうことですか?」
なぜだかルークは納得した様子だ。おかしい、精霊に関してはアメリのほうが詳しいはずなのに。
「……アメリは、ボーフォート公国の初代王が、レッドメイン王国の傍系だというのは知っているか?」
「ええ。歴史の本で」
「レッドメインの王族には、魔術師となれるほどの魔力が継承される。最もそれは直系のみで、傍系となればわずかな魔力しか残らない。しかしながらボーフォート公国では、そのわずかな魔力が継承され続けてきたのだろう。つまり両国の王家に伝わる魔力の質は同じだ」
《わあ、すごい》
フローは自分で自身を確認するように手足を見ている。
驚いたのは、ルークもまた、フローを凝視していることだ。
「……本物か?」
「ルーク様にも、少年の姿に見えますか?」
「ああ。それどころか、声も聞こえる」
信じられないというように、ルークがつぶやいた。
フローはひらりとアメリとルークの間を飛び回って、ご機嫌そうだ。
「フロー、これがあなたの本当の姿なの?」
《そうだよ。今、ルークからも力を分けてもらったんだ。ルークは凄い魔力量だね。おかげでちゃんと少年の姿になれた》
「力……とは、もしかして魔力のことなのか?」
ルークの問いかけに、フローは周囲を飛びながら答える。
《そう……かな? 僕ら精霊が生き続けるには、自然のエネルギーと人の想いが必要なんだ。君たちのいう魔力は、選ばれた人間が持つ、自然のエネルギーだろ? その力を持っていて、僕らと波長が合うのが巫女姫なんだよ》
「自然のエネルギー。……なるほど。だから巫女姫は、王族からしか現れないのか。魔力が継承されるのは、王族だけだから」
「えっ、どういうことですか?」
なぜだかルークは納得した様子だ。おかしい、精霊に関してはアメリのほうが詳しいはずなのに。
「……アメリは、ボーフォート公国の初代王が、レッドメイン王国の傍系だというのは知っているか?」
「ええ。歴史の本で」
「レッドメインの王族には、魔術師となれるほどの魔力が継承される。最もそれは直系のみで、傍系となればわずかな魔力しか残らない。しかしながらボーフォート公国では、そのわずかな魔力が継承され続けてきたのだろう。つまり両国の王家に伝わる魔力の質は同じだ」