純愛初夜、次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。
再会
再会
『――千暁と結婚しない?』
清澄家で旦那様の提案を断り数日。
私は、ため息が止まらない。
「……はぁー」
「ずっとため息だね、どうしたのよ。婚約破棄以外にも溜め息ついちゃうほどのことがなんかあったの?」
今日は、高校生の頃からの親友の美子と毎月開催しているお茶会の日で新しく出来たカフェでティータイムをしている。
「……清澄家の旦那様からね、千暁さまと結婚しないかって言われて」
「えぇ!? 千暁様って、あの強面の方よね? ちなみに、花暖はなんて答えたの?」
「身分違いだからもちろん断ったよ。しばらくは恋愛はいいし、千暁さまはかっこよくて優しい方だから選り取り見取りだと思うし」
「いやいや、私からしたらちょっと怖くて近づけないんだけど。だけど、そうなのね、じゃあ誘ってもいいかなこれ……」
美子はブツブツ言いながら、カバンからチケットを取り出して机に置いた。