不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 そういえば、エムリーはそのことも忘れてしまっているのだろうか。そのことについては、話し合っておかなければならないかもしれない。

「お父様、お母様、エムリーの出自のことなのですけれど、今の彼女にそれを話しますか?」
「……そのことか。確かに、考えるべきことではあるな」
「どちらがいいかは、微妙な所ですね。でも、事実を隠していると、いざ知った時に傷つくかもしれません。早く話しておいた方がいいのではないでしょうか。それがあの子のためになると、私は思います」
「ああ、私も気持ちは同じだ」

 お父様とお母様が言っている通り、エムリーに事実は話しておくべきだろう。
 何かの拍子に知って傷つけるよりも、その方がいい。実際に、記憶を失う前の彼女はひどく憔悴していた訳だし、ここは家族介護の場を設けて、きちんと話しておいた方が良さそうだ。
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