不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「……質問の意図を計りかねます。それは何に対する質問なのでしょうか?」
「白々しいことを言って! ナルネア様に失礼ですよ?」
「そうです。ただでさえ、あなたの行いは目に余るというのに!」

 私が問いかけると、ナルネア嬢の周囲の令嬢達が言葉を発した。
 彼女達も、ひどく怒っている様子だ。それが本人の意思なのか、それともナルネア嬢への忠誠心からのものなのかはわからないが、彼女達は私との距離を詰めて来る。

「皆さん。イルリア嬢のご指摘はごもっともです。確かに、私も言葉が足りませんでしたから」
「ナ、ナルネア様?」
「す、すみません、出過ぎた真似をしました」
「いいえ、いいのですよ」

 そんな取り巻きを鎮めたのは、ナルネア嬢だった。
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