お願いだから、好きって言って。




 気付くと雨は止んでいて、葉っぱに乗った雫がキラキラと輝いていた。




「でも……もう、大丈夫……息、できる……」
「だとしても、まだフラフラでしょ。俺が連れてくから」


 ギュッと抱きしめられ、右手で頭をポンポンされる。
 安心するどころか、さらにドキドキして……



 このドキドキが佐藤くんに聞こえてないか、心配になる。




「じゃあ、おぶってくから。後ろ乗って」



 佐藤くんは、私の前にしゃがむ。

 さすがにそこまで迷惑はかけれないと言っても、佐藤くんは聞いてくれなかった。



「重かったら……そこら辺に捨てて、ください……」


 観念したようにそう呟き、佐藤くんの背中に跨る。



 いつもより近い距離に、さらに鼓動は加速する。





 佐藤くんの顔をこんなに近くで見ることはないから、とても緊張する。




 やっぱりまつ毛長いなぁ……とか、物語の王子様みたいに目がパッチリしてるなぁ……とか……そんなことを考えながら佐藤くんの顔をちらりと覗く。



「あんまり見られると恥ずいんだけど……」
「え、あ……ごめん、なさい……」


 顔を赤くして気まずそうな佐藤くんとバッチリ目が合い、思わず逸らす。




 恥ずかしくて、佐藤くんの首元に顔を埋めると、シャンプーのいい匂いがした。



 名前の通りベリー系の香りで、なんだかホッと安心する。


 佐藤くんらしいや……




< 84 / 185 >

この作品をシェア

pagetop