帝都の守護鬼は離縁前提の花嫁を求める
(否定しないなんて……そ、そのつもりだったということ!?)
ただでさえ状況が掴めないというのに、会ってすぐにそのようなことをしようとするなど理解に苦しむ。
あまりのことにクラクラしてきた琴子は、そのまま畳に手をつき項垂れた。
「どうした琴子? 疲れたか? やはり休んだ方が良さそうだな」
琴子に優しく心配の声を掛けた朱縁は、利津に部屋を用意するように指示する。
その後用意された部屋で琴子は利津により着替えさせられた。
「申し訳ありません、女物の着物は私のものしかなく……ですがその縁起の悪い着物をずっと着ていただくわけにもいきませんので」
そう言った利津は自分の持っている着物の中でも比較的新しいものを持ってきたと何点か見せてくれる。
それらは主に銘仙で、人気の夢二がデザインしたものやアール・デコ感覚の訪問着もあった。
今まで着てみたくとも許されなかった流行りの柄ばかりで、琴子はそれどころではないと思いつつも胸がときめくのを抑えられない。
目を輝かせ、わくわくとアール・デコ感覚の大柄牡丹を選ぶ。
そんな自分の心が透けて見えてしまったのだろうか。
利津はクスリと笑いながらも、御髪も整えましょうと耳隠しの髪型にしてくれた。
女学校やちまたで見かける若い娘らしい装いに、頬が紅潮するのを抑えられない。
「あの、ありがとうございます」
訪問着もだが、髪を結って貰ったことの礼を口にすると「いいえ」とニッコリ微笑まれた。
ただでさえ状況が掴めないというのに、会ってすぐにそのようなことをしようとするなど理解に苦しむ。
あまりのことにクラクラしてきた琴子は、そのまま畳に手をつき項垂れた。
「どうした琴子? 疲れたか? やはり休んだ方が良さそうだな」
琴子に優しく心配の声を掛けた朱縁は、利津に部屋を用意するように指示する。
その後用意された部屋で琴子は利津により着替えさせられた。
「申し訳ありません、女物の着物は私のものしかなく……ですがその縁起の悪い着物をずっと着ていただくわけにもいきませんので」
そう言った利津は自分の持っている着物の中でも比較的新しいものを持ってきたと何点か見せてくれる。
それらは主に銘仙で、人気の夢二がデザインしたものやアール・デコ感覚の訪問着もあった。
今まで着てみたくとも許されなかった流行りの柄ばかりで、琴子はそれどころではないと思いつつも胸がときめくのを抑えられない。
目を輝かせ、わくわくとアール・デコ感覚の大柄牡丹を選ぶ。
そんな自分の心が透けて見えてしまったのだろうか。
利津はクスリと笑いながらも、御髪も整えましょうと耳隠しの髪型にしてくれた。
女学校やちまたで見かける若い娘らしい装いに、頬が紅潮するのを抑えられない。
「あの、ありがとうございます」
訪問着もだが、髪を結って貰ったことの礼を口にすると「いいえ」とニッコリ微笑まれた。