エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「はい、羽山美月は私で間違いありませんが……。え、晴馬が?」

 晴馬が任務中に火傷を負い、病院に運ばれたと彼は言った。

 一瞬、頭が真っ白になる。全身からすぅと血の気が引いていく。

(晴馬が火傷?)

 どんな状態なのか、まさか命に別状があったりはしないだろうか?

 すっかりうろたえてしまって、言葉が出てこない。

『羽山さん、聞こえていますか?』

 スマホごしに呼びかけられ、ようやく我に返る。

「し、失礼しました。どこの病院でしょうか? すぐに向かいますので」

 美月は慌ててタクシーに飛び乗り、教えてもらった病院に駆けつける。

 もう外来の受付が終わっているせいか、院内に人は多くなかった。待ち合いスペースのベンチに座る男性に美月は目を留める。

(あの人が伊沢さんかしら)

 もちろん初対面だが、晴馬以上に身体が大きくがっしりとしているのでレスキュー隊員っぽいなと感じたのだ。その推測は当たりだったようで、美月に気がついた彼が立ちあがる。立ちあがると、ムキムキに鍛えられた肉体はすごく迫力がある。

「羽山さんですか? 北原と同じ隊に所属している伊沢です。お呼び立てして申し訳ございません」

 キビキビとした、レスキュー隊員らしい動作で彼は頭をさげる。年齢は三十代中盤くらい、気さくな先輩といった雰囲気だ。
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