エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 頬にあった彼の手が美月の長い髪を払い、くすぐるように首筋をすべっていく。その手つきがやけに艶っぽくて、美月の肩がピクンと跳ねた。

 上目遣いに彼を見つめる。全身の血液が顔に集まってきているのでは?というくらいに頬が熱い。照れたように、困ったように晴馬が目を伏せる。長い睫毛が落とす影すら、色っぽく見えて美月をドキドキさせる。

「そんなかわいい顔されると、もう我慢できないんだけど」

 言いながら、彼の顔が近づいてくる。耳元にかかった吐息がくすぐったくて、美月は「んっ」とくぐもった声を漏らす。

「かわいすぎ」

 そうささやいたかと思うと、晴馬はグッと美月の後頭部を引き寄せて唇を重ねた。少し強引な熱いキスに美月の心臓は早鐘を打ちはじめる。

「ま、待って。晴馬、ドキドキしすぎて心臓が壊れそう」

 これ以上、キスをしたらそのまま止まってしまう恐れすらある気がした。心の準備が必要だと正直に訴えたら、彼はクスリと楽しそうに頬を緩めた。

「大丈夫。絶対に俺のほうがドキドキしてるから。ほら」

 言って、晴馬は美月の手を自身の心臓に当てさせた。晴馬の鼓動よりも、逞しい胸板を意識してしまって……美月の顔はより一層赤く染まる。

 晴馬はそんな美月の顔をのぞき込んで甘くほほ笑む。

「美月とキスするの、俺はものすごく幸せなんだけどな」
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