七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
リセは素早く言うと、片手で胸を押さえてエレベーターのボタンを押した。

異常があったのは私のほうだ・・・まだ、心臓がドキドキする。

<重いって・・・>

あのダリウスが・・
自分を抱きかかえて、ベッドに寝かせてくれたのか・・・

上着を脱がして、ネクタイも外してくれたのか・・・?

<重い>という言葉が、脳内をグルグル回っていた。

しばらくして、

<なぜダリウスが、眠り込んだ自分をベッドに運んだのか>という疑問が浮かんだ。

普通なら警備担当部署に、連絡をすればいいだけだ。

過去のデータから検証しても、
お持ち帰り女性のタイプに、自分は適合しない。

なにしろ、初日から、<ポンコツ魔女>と言われたのだから。

明日は、どんな顔をすればいいのだろう・・

ダリウスは<きまぐれだ>

リセはそう思う事で、自分を納得させた。

どちらにしても、明日職務怠慢で<首宣告>をされるかもしれないのだ。

次の日、リセの悩みは・・・
杞憂に終わった。

ダリウスは外出をしないという連絡が入り、正直ほっとした。
一日中、宿泊所のベッドで眠りこけた。
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