七日目の恋 ダリウスとリセ・改訂版・魔法の恋の行方シリーズ
帰宅して、祖母に薬草のかごを渡そうとすると

「おまえ、頭に・・ゴミなんかつけて」

リセは慌てて、耳元の花を取ったが

「おまえのような、やせこけたヒキガエルが・・
なにをやっても無駄だ。身の程を知れ。
鏡を見るがいい」

祖母はそう言うと、
リセの手にあった花をつまみあげ、ゴミ箱に捨てた。

「早く、外の井戸で薬草を洗うんだよ。
ぐずぐずしないで!!」

祖母は薬の調合を、別のテーブルで始めた。

リセは薬草とゴミ箱の花を急いで拾い上げて、井戸に走っていった。

涙はでなかった。

ヒキガエルの自分は・・
現実とどう向き合って生きるのか・・

リセの心に深く刻まれた。

そもそも魔女は、孤独とともに生きるものなのだ。

ダリウスの優しさに、自分はどのように答えたらよいのだろうか・・

リセは黒のスーツを着て、黒のパンプス、そして黒のローブを羽織った。

魔女の正装だ。

それからマスターキーを握った。

もし、祖母が生きていたらこう言うだろう。
「なに、男にのぼせあがっているんだ。
どうせ捨てられるに決まっている。おまえの母親のようにね」

こういう事も言うだろう。

「ひと月に10日も寝込む女なんか、使い物になりはしない。
魔力がちょっとばかり強いからって、つけあがるんじゃないよ」

リセは大きく深呼吸すると、呼び紐を引っ張った。
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