侯爵様の愛に抱かれて。〜大正溺愛華族譚〜
 寝室には布団が既に女中達の手により設置されていた。薄暗い部屋だが、布団の左上には行灯がともり、明るく仄暗い光と空気を演出してくれている。

「もうそんな時間か」
「早いですね。また明日もあの海に行きたいです」

 葉子がそう感慨深げにつぶやくと、正則は穏やかに笑みを浮かべた。

「ああ、そうだな。せっかくだ、記念写真も撮ってもらおう」
「いいですね……!」
「それに茶屋で食事をするのも良いかもな。あの露店の焼きアサリも美味しかったし、また食べみたいと考えている」
「いいですね、なんだかお祭りって感じで」
「ははっ……」

 2人はゆっくりと談笑しながら布団に入ると、浴衣を脱ぎあい、身体を求めあった。激しさよりかはまだ互いに初々しさが残るようなそんな雰囲気が漂っていた。

「正則様」
「なんだ?」
「あなたと結ばれて良かったです。あなたの愛は私の支えであり、癒しです。今後ともあなたをお支えするべく頑張っていきますのでよろしくお願いします」

 そう布団の中で照れ笑いをこぼしながら語る葉子の頭を正則は優しくなで、口づけをしたのだった。
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