弟は離れることを、ゆるさない


 連絡をこまめに取る、デートを重ねる、軽いスキンシップ、キス、体を重ねるなどが書かれてあった。

 調べていて気づいたことがある。私と葵は普通のカップルのような存在ではなく、周囲に隠しながら付き合わなくてはいけない。もちろん、友達のようになんでも言い合える母にも、大らかな父にも、友人の紗絵達にも、誰にも話してはいけない。

 そう考えると、書かれてあることの大事な部分は永遠とできないし、してはいけないんじゃないかと思えてきた。

 葵は私と付き合うことをどう思っているのだろう。

 時刻を見ると今は夜の12時。隣の、葵の部屋から物音はしないため、もう葵は寝ているのだろう。この時間帯は父と母も一階で寝ているはずだ。

 一回だけ葵の部屋をノックして、反応がなかったら自分の部屋へ戻ろう。そんな軽い考えで葵の部屋のドアの前に立った。

 コンコンと小さくノックをするけれど、葵からの返事はない。試しにドアノブに手をかけると、鍵を閉め忘れているのか部屋が開いてしまった。


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