親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
……弓、か……憧れていた時期があったなぁ……。

僕が小学生の頃を思い出して、僕は懐かしさを感じた。

僕はテレビを消すと、リビングを出て自分の部屋へと向かう。

ドアを開けると、綺麗に整えられた部屋が目に入った。

僕は机の上にカバンを置くと、そのままベッドに倒れ込む。仰向けになって、天井を見つめた。

「……」

ぼんやりと天井を見つめながら、ケイからの質問について考える。

僕がたくさんの魔法を使えるようになりたい本当の理由……か。

……分かんない。分かんないよ、そんなの。

僕があれこれと思案していると、ドアがノックされる音がした。

いつの間にか、育ての母親である優子(ゆうこ)さんが帰ってきたみたいだ。

僕が育て親を名前とさん付けで呼ぶのは、小さい頃からの癖だった。

「雨琉、お友だちが来てるわよ」

「……お友だち?分かった、今行くよ」

ベッドから起き上がって、僕は部屋を出ると玄関まで移動する。

玄関に立っていたのは、光だった。光は、申し訳なさそうな顔で僕を見ている。

「雨琉、ごめんね。急に来て」

「大丈夫だけど……どうしたの?」

「……この猫、見覚えない?」

光はそう言って、屈むと1匹の猫を抱え上げた。
< 67 / 83 >

この作品をシェア

pagetop