本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第20章 6 ショッピング、そして…
午前10時――
「お姉ちゃん。ちょっと駅前に買い物に行って来るね」
洗濯物を干し終えた私は部屋の掃除をしてるお姉ちゃんに声をかけた。
「あら、そうなの? 今日は11時から服部さんが来るのに?」
「え? 服部さんが?」
「ええ、そうよ。フフフ……1週間ぶりに会えるから楽しみだわ」
お姉ちゃんは嬉しそうに微笑んでいる。え……? ちょっと待って。何だかお姉ちゃん…‥その姿は恋する女性に見えるよ? ううん。でもそんなはずない。きっと私の気のせいに決まっている。何といってもお姉ちゃんと亮平は恋人同士で結婚するんだから。
だけど、服部さんがいるなら何となく居心地が悪い。それなら尚更出かけないと。
「ちょっと春物のコートを見てきたいんだ。だからやっぱり出かけるね」
「そう? でもそれなら仕方ないわね。いいわよ、出かけて来て」
「ありがとう。お昼も外で食べてくるからいいよ。それじゃ行ってきます」
「ええ。いってらっしゃい」
それだけ言うとコート掛けからダウンジャケットを羽織、ミニリュックを背負うと、玄関へ向かった――
「う~ん……手持無沙汰だったから何となく出てきちゃったけど……これからどうしようかな……」
外を歩きながら空を見上げた。空は雲一つない冬晴れだった。今日が平日じゃなかったら友達に連絡入れてみたのに、あいにく今日は友達は皆仕事で出社している。
「お姉ちゃんに言った手前……やっぱり春物のコート見に行こうかな」
そこで私は駅前へと足を向けた――
小一時間後――
「ありがとうございましたー」
店員さんに見送られ、紙袋を手にした私はお店を後にした。
「ふ~買ってしまった」
手にした紙袋を手に思わずため息をついてしまった。トレンチコート。カラーは淡いベージュで、まるで羽織るだけでワンピースの様に見える美しいシルエットのデザイン。きっとこのコートなら……。
「寒い季節の結婚式だって着て行けるものね」
家に帰ったらすぐにシワにならないようにハンガーに掛けておくことにしよう。
「あ、そう言えば、今何時かな?」
立ち止まってスマホをタップすると時刻は12時を丁度過ぎた頃だった。12時か……。何処かでお昼でも食べようかと辺りを探し、結局いつものファミレスに入る事にした。
窓際のテーブルのボックス席に座り、メニューを眺めた。
「う~ん……何にしようかな……」
ランチタイム用のワンコインメニュー表が目に留まる。そうだ。今日は1万5千円もするスプリングコートを買ったんだから節約しなくちゃ。そこで私はクラブハウスサンドセットにする事にした。
早速テーブルに乗ったタブレット端末でメニューを注文すると、スマホを眺めていると――
「お待たせ致しました」
コトンと私の前にプレートが置かれた。
「ありがとうございます」
届けてくれた店員さんにお礼を言い、何気なく顔を上げた。
「こんにちは、また来てくれたんですね」
それはいつもの彼だった。
「あ、はい。また来てしまいました」
「そうですか、ごゆっくりどうぞ」
彼は笑みを浮かべ、頭を下げると去って行き、私は早速フォークを手に取った。う~ん……それにしても彼には良く会うなぁ……やっぱりここに住んでいるのかな?
そんな事を考えながら私はフォークでフライドポテトを刺して口に運んだ。
「どうもありがとうございました」
レジでお金を支払う時、担当したのはやはり例の彼だった。
「540円になります」
言われた私はお財布から540円丁度の金額をトレーに乗せた。
「お願いします」
そして何気なく彼を見つめ……。
「え……?」
心臓の音がドクンと大きく鳴った。ま、まさか……?
私は震えながら目の前の少年を見上げた。
「お客様……? どうかされましたか?」
そんな彼は私を不思議そうな目でじっと見つめていた――
「お姉ちゃん。ちょっと駅前に買い物に行って来るね」
洗濯物を干し終えた私は部屋の掃除をしてるお姉ちゃんに声をかけた。
「あら、そうなの? 今日は11時から服部さんが来るのに?」
「え? 服部さんが?」
「ええ、そうよ。フフフ……1週間ぶりに会えるから楽しみだわ」
お姉ちゃんは嬉しそうに微笑んでいる。え……? ちょっと待って。何だかお姉ちゃん…‥その姿は恋する女性に見えるよ? ううん。でもそんなはずない。きっと私の気のせいに決まっている。何といってもお姉ちゃんと亮平は恋人同士で結婚するんだから。
だけど、服部さんがいるなら何となく居心地が悪い。それなら尚更出かけないと。
「ちょっと春物のコートを見てきたいんだ。だからやっぱり出かけるね」
「そう? でもそれなら仕方ないわね。いいわよ、出かけて来て」
「ありがとう。お昼も外で食べてくるからいいよ。それじゃ行ってきます」
「ええ。いってらっしゃい」
それだけ言うとコート掛けからダウンジャケットを羽織、ミニリュックを背負うと、玄関へ向かった――
「う~ん……手持無沙汰だったから何となく出てきちゃったけど……これからどうしようかな……」
外を歩きながら空を見上げた。空は雲一つない冬晴れだった。今日が平日じゃなかったら友達に連絡入れてみたのに、あいにく今日は友達は皆仕事で出社している。
「お姉ちゃんに言った手前……やっぱり春物のコート見に行こうかな」
そこで私は駅前へと足を向けた――
小一時間後――
「ありがとうございましたー」
店員さんに見送られ、紙袋を手にした私はお店を後にした。
「ふ~買ってしまった」
手にした紙袋を手に思わずため息をついてしまった。トレンチコート。カラーは淡いベージュで、まるで羽織るだけでワンピースの様に見える美しいシルエットのデザイン。きっとこのコートなら……。
「寒い季節の結婚式だって着て行けるものね」
家に帰ったらすぐにシワにならないようにハンガーに掛けておくことにしよう。
「あ、そう言えば、今何時かな?」
立ち止まってスマホをタップすると時刻は12時を丁度過ぎた頃だった。12時か……。何処かでお昼でも食べようかと辺りを探し、結局いつものファミレスに入る事にした。
窓際のテーブルのボックス席に座り、メニューを眺めた。
「う~ん……何にしようかな……」
ランチタイム用のワンコインメニュー表が目に留まる。そうだ。今日は1万5千円もするスプリングコートを買ったんだから節約しなくちゃ。そこで私はクラブハウスサンドセットにする事にした。
早速テーブルに乗ったタブレット端末でメニューを注文すると、スマホを眺めていると――
「お待たせ致しました」
コトンと私の前にプレートが置かれた。
「ありがとうございます」
届けてくれた店員さんにお礼を言い、何気なく顔を上げた。
「こんにちは、また来てくれたんですね」
それはいつもの彼だった。
「あ、はい。また来てしまいました」
「そうですか、ごゆっくりどうぞ」
彼は笑みを浮かべ、頭を下げると去って行き、私は早速フォークを手に取った。う~ん……それにしても彼には良く会うなぁ……やっぱりここに住んでいるのかな?
そんな事を考えながら私はフォークでフライドポテトを刺して口に運んだ。
「どうもありがとうございました」
レジでお金を支払う時、担当したのはやはり例の彼だった。
「540円になります」
言われた私はお財布から540円丁度の金額をトレーに乗せた。
「お願いします」
そして何気なく彼を見つめ……。
「え……?」
心臓の音がドクンと大きく鳴った。ま、まさか……?
私は震えながら目の前の少年を見上げた。
「お客様……? どうかされましたか?」
そんな彼は私を不思議そうな目でじっと見つめていた――